2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

歪んだ幸せ

あたし桜井陽子、今年四年生になった女の子!
だけど休み時間の今なんて、男子と混ざってサッカーをやってたんだ、
ほら行くよ~えいっ!ゴ─────ル!!!
「うわっ!ちくしょー!!また桜井にやられたかよ!」
「へへ~んだ!!」
相手チームの男子は悔しそうな顔してたよ、まぁざっとこんなもんか。
ちなみに一人女子が混ざってる事に対して、周りは全然に浮いてなかったんだ、
だってさ…あたしってあんまり女の子ぽい格好してないんだ。
スカートじゃなくてズボンだし、それに胸だって無いしね…おしゃれだってしてないかな。
あんまり容姿にこだわりが無い性分でね、休み時間に遊んで泥んこかぶっても気にしないし。
だから他の学校の子達とサッカーの試合しても、全然に気付かれなかったりする、
それはそれでショックかもしれないけど、まぁ今は体を動かす事が大好きだから、
男の子達と混ざってスポーツできるのは嬉しいよ。
「なぁ放課後にみんなで集まってサッカーするんだけどさ、桜井も来ないか?」
「いいの!あ…でもゴメン、塾の日だから…」
「そっか、桜井が居たら無敵だったのにな…まぁいいか、じゃあ明日な!」
「うん!」
でも最近は塾に行かされてるから放課後にみんなと遊べないのが残念なんだ。
お母さんがいつの間にか塾を申し込んでて、仕方なく学校が終わったら駅に向かって、
電車で塾通いをしるようになってた…塾で勉強するくらいならサッカーとかしたいのにな。
とはいえあたしって勉強できる方じゃないから、
塾なんかに行かなくても平気だって言えないし…はぁ~。
溜息を一つついて空を見上げると、少し曇ってきたように見えてた…もしかしたら降るかな?

その予想は当たってた、塾で授業を受けてるとポツポツと降りだしていたし、
そんな日の帰りし…あたしは出会っちゃったんだ、あの人に…

続きを読む

あぶない冬萌ちゃん07

「いっやぁ~面白かった!」
「本当に拓海くんってこういうの好きだよね」
今日は映画を観に来てました、拓海くんのお母さんが知り合いからチケット貰ったからって、
拓海くんはあたしも誘って一緒に映画館に来てたんだ。
観たのは仮面を付けたヒーロー物の特撮映画、
今年は早々に毎年恒例になってる夏の劇場版が公開されてたんだ。
「子供っぽいって言うのか?でも結構大人もいっぱいだったじゃん」
「う~んと、確かにそうかな…でもお父さんとかお母さん達じゃないの?」
「そうでもなかったよ、ほら僕らお横に座ってた女の人は大人二人で来てたし」
「そういえば…あたしの横に座ってたおじさんも子供連れじゃなかったような…」
あたしも拓海くんの影響でかな、ヒーロー物って好きなんだけど、
大人になっても好きな人って結構いるのかな?
さて、映画は観たから早く家に帰ろう…なんて勿体無い事をする筈なくて、
せっかく大きな街にまではるばる来たのだから、
このまま遊んじゃおうとあたし達はテンション上がってました。
「とりあえず何処に行こうか?」
「ゲームセンター!」
「じゃあそこに行こう!」

続きを読む

聖夜にさようなら 裏

今日はテストも終わって冬休み直前と、クリスマス直前の休日前ということで、
クラスのみんなを集めてパーティーを開いて楽しむ事になったの。
で、その騒ぐ場として、ちょうどタイミング良く両親が留守で家も大きく、
広い部屋もあるからという理由で、学校からも近い私の家でしようって事になったのでした。
「乾杯!メリ─────クリスマス!」
時間になり準備もできたから、クラスメイトの男の子の池口くんが乾杯の挨拶をすると、
一斉にみんな騒ぎ出したの、まぁ希望者のみという事で数は少なめだけどね、
クラスメイト全員が来たら流石に部屋に入りきらないから、丁度いい人数だったけども。
暖房はちゃんとつけてるから部屋も暖かく、
ソファーに座って騒ぐ子や、その辺にだらしなく座ってる子ら、
そしてやっぱり冬はコレだとばかりに置かれた大きめのコタツに足を入れてる子らと、
落ち着く席は色々だったわ、その分だけ片づけが大変になるかもね。
私はそんなみんなにジュースを配り終えるなり、
最後に配った大き目のコタツに座っていたとある男子の横に座るの。
その男子の名前は富田雄介君といってね、
付き合って一年くらいになる私の彼氏だったりします。
「お疲れ、だけど場所をここにして本当に良かったのか?」
「う、うん…色々と都合が良かったんだし私は構わないよ」
「そっか」
クラスのみんなの分を含めるかのように、申し訳無さそうな顔をする雄介君、
優しくて成績だって良い方で頼りになる事でも有名だった彼に告白された時、
本当に驚いて心臓が止まっちゃうかもと思ったっけ。
「それでさ後で…」
「うん、大丈夫…」
こっそりと彼は私の耳に小声で囁く、それは私達だけの秘密の約束だったの。
実はこのパーティーの後に、今度は私達だけでのクリスマスパーティーをしようって決めてたの。
だからパーティーにと用意した料理やお菓子とかを、私達はあんまり食べてなかったのでした。

続きを読む

聖夜にさようなら 表

「乾杯!メリ─────クリスマス!」

クラスのまとめ役である池口の一声で始まったクリスマスパーティー、
メンバーは希望者のみで十人ちょいくらいと少数だが、いやまぁ良いくらいか。
どっかの店を貸切にしてるわけじゃないしな。
「はい、雄介君」
「おっ、サンキュー」
ジュースの入ったコップをもらうと、その配ってた女子は俺の横に座る、
当然に俺達は未成年だからアルコールは無しだぞ。
すると俺はその横に座った女子を眺めたのだが…へへ、やっぱり可愛いな。
「ん?何か言った?」
「え?いや…はは別に独り言だよ」
笑って誤魔化す俺が見惚れたこの女子は…
このパーティーの会場として貸してもらった家の子だ、
今夜は両親が留守だからというのと学校からも近いのでと都合よく、
パーティーの企画実行員が彼女に頼み込み場を貸してもらったわけだ。

で同時にだ…俺の恋人でもあるんだなこれが。

続きを読む

クリスマスの誤解

2×10年12月24日━━━

周囲はカップルの群れが行き来してる中、俺は一人この寒空の下で人を待っていた。
辺りから五月蝿いほどに聞こえてくるのは陽気なクリスマスメロディ、
俺と同じようにここで待ち合わせしてる奴らもいるが、
彼らには次々と待ち人がやってきて、この雪の降り始めた街へと繰り出していく。
それぞれのクリスマスイブを過ごす為に…
俺は去年は果たせなかった約束を守るために、ひたすら待っていたんだ…
実は、まだ約束の時間にさえなってないのだが、
去年渡しそびれたプレゼントを片手に、今から彼女を待っていたんだ。
去年のような愚行を繰り返さない為に、そして彼女のその時の辛さを少しでもわかる為に…
今日はクリスマスイブ、待ちに待った恋人達のイベントの日、
そうさ去年は散々だった…だけど今年は絶対に素敵な思い出になる日にしないとな!

続きを読む

あぶない冬萌ちゃん06

「た、高い…」
あたしはその日、スポーツショップの前で窓越しにあるものを睨んでました、
それはサッカーボール…だけど普通のじゃなくて有名なのらしいんだ。
スポーツは興味ないから詳しくないけど、
あたしと仲のいい男友達の拓海くんがこれを見て、凄く欲しそうにしてたの。
でもあたしの今月の残り小遣いじゃ買えそうにないかも…
実はもうすぐ拓海くんの誕生日だったんだ、だから貰った指輪の事もあるし、
あたしも彼に一番喜びそうなプレゼントをあげたかったのでした。
だけど…違うものにしなきゃ駄目かな、ボールなんて千円もあれば買えると思ったのに、
やっぱり特別なせいか何倍も高かったんだ。
でもそれなら何にしよう?う~ん…お店の前で必死に悩むあたし、
すると目の前の窓にあたしの姿…の後に大きな人影がありました!
「ねぇ…君どうしたのかな?」
「え?あ…あの…」
お店の人?ううん違う、だって店員さんだったらリュックとか背負ってないだろうし、
服装だって明らかに私服だよね、今ね声をかけてきたのは、
紙袋をいくつも持ってリュックを背負った太いおじさん?でした。
知らないおじさんはあたしの様子を見て、ポンッと手を叩きます。
「もしかして欲しいものあったけどお小遣いが足りなかったのかな?」
「あ…はい」
「どれ?この青い柄のボールかな?」
「う、うん」
「そっか…お兄さんがお金を出してあげようか」

続きを読む

危うい兄妹

あたしには歳の離れたお兄ちゃんがいます。
あたしが生まれた時、お兄ちゃんは中学生だったの、
親が共働きしてたから昔からあたしの遊び相手やお世話とかしてもらってたんだ。
「お兄ちゃん…グスッ、ごめんなさい…」
「どうしたんだいゆかり?あ…またやっちゃったんだ」
「うん…」
泣いて部屋で勉強してたお兄ちゃんに謝ってた、この凄く小さかった頃のあたしは、
オムツ離れする為にパンツを穿き始めた頃なんだけど、
トイレに間に合わずにお漏らしする事が多かったのでした。
「もう仕方ないな、お兄ちゃんが拭いてあげるからね」
「うん…うん…」
「お母さんには内緒にしといてあげるよ、お兄ちゃんとの秘密だぞ」
「うん!」

続きを読む

あぶない冬萌ちゃん05

「お邪魔しま~す」
「あらあらいらっしゅい、あなたがゆかりちゃんの友達の冬萌ちゃんね」
「は、はい」
一緒にお出かけの後、あたし西澤冬萌は友達の香坂ゆかりちゃんの家に、
お泊りしに来てました、明日は日曜だしね。
「夕食できてるわよ、冬萌ちゃんの分もあるから食べていってね」
夕食も御馳走してくれるから凄く楽しみだったんだ、
だってゆかりちゃんの家のお母さんは料理教室の先生もするくらいに料理上手でね、
いつも綺麗で美味しいお弁当をゆかりちゃんによく持たせてたから期待してたんだ。
その期待通りに、夕食には何だか凄い御馳走が食卓に並んでました、
まるでレストランみたい、しかも高い方のね。
もちろん美味しかったよ、お喋りも楽しかったし~
そうそうゆかりちゃんのお父さんは遅く帰ってくるそうだから一緒に食べれなかったけど、
ゆかりちゃんのお母さんと一緒に三人で御馳走をいただいてたの。

続きを読む

あぶない冬萌ちゃん04

その日、あたしは家を出ると駆け足で駅まで急いでました。
朝早くて天気もいいし、清々しいな…なんて言ってられない、
だってあたし達の町に通ってる電車って、
乗り逃したら一時間も待たなきゃいけないもん。
「はぁはぁ…あ!ゆかりちゃん待ったぁ?」
「あ、冬萌ちゃん!大丈夫大丈夫、時間通りだからね」
今日は土曜日、お友達と二人で隣町にまでお出かけをします。
一緒に行く子は香坂ゆかりちゃん、長い髪の似合う同じクラスの女の子です。
一月ほど前に隣町に大きなショッピングモールが出来てね、
興味あった店が入ってるらしいから二人で行こうって約束したんだ、
駅で待ち合わせて電車で移動します。
「うわぁ~結構混んでるね」
「うん」
やって来た電車に乗り込むと、もうだいぶ人が乗ってたの、
これは座るのはムリみたい、まぁ仕方ないか…ちょっと時間かかるのだけどね。
そんなわけで立ったままでお喋りするあたし達です。

続きを読む

あぶない冬萌ちゃん03

「ヨイッショっと!!」
鉄棒を握って地面を蹴って、いっせいので逆上がり!…きゃっ!?
グルッと一周せずに足が地面に落ちてきて、また失敗しちゃた~
ちなみに隣の鉄棒では拓海くんが…
「ヨイッショ!!」
軽く掛け声と同時に、鉄棒を中心に体が綺麗に一回転してました、
うぅぅ…負けたぁぁぁ!!!
「まったく冬萌ちゃんは鉄棒苦手だね」
「うるさいうるさ~い!!」
今日は学校の帰りしに公園に寄って、鉄棒の練習をしてたんだ、
体育で逆上がりの授業があったのだけど、あたし上手くできなくて…
それで一緒に練習しようって強引に拓海くんが誘ったの。
あたしは別に上手くできなくてもいいんだけど…
「ほら、もう一回!」
「うぅぅ~」
だけど運動神経のいい拓海くんは我慢できないみたい、
もう放ってくれてもいいのに、なんか惨めだもん…
でもなんか悔しいからもう少し頑張ってみようっと。
そんなわけで何度もチャレンジを繰り返していたんだ。

続きを読む

あぶない冬萌ちゃん02

「おはよう冬萌ちゃん」
「あ…おはよう拓海くん!」
「あっ!昨日の指輪を早速つけてきたんだね」
今日は月曜日、学校に到着するなり顔を合わせた拓海くんは、
この指に嵌めてる指輪に気付いたの。
そう…昨日の川岸で拾った綺麗な指輪、あれをつけてきたんだ。
だって早く友達のみんなに自慢したいもん、あれからしっかり磨いたから、
指輪はもっと輝いてて玩具なんかに見えなくなってた。
紛れもなく本物なんだし、きっとみんなからも羨ましく思われちゃうよね。
そう思ったら何だか楽しみでした。
「だけどさ…先生に見つかるとまずくない?」
「えっ…!?」
「没収されちゃうよ、その指輪…」
あっ!そういえばそうかも…学校の勉強に関係ないものを持ってきたら、
きっと担任の先生に没収されちゃう!
クラスの男子なんか持ってきてたゲーム機をよく取り上げられてるし、
女子も化粧道具とか携帯電話とか没収されてたもんね。
うちの先生って偉い大学出らしくてね、若いけど妙に厳しくて真面目で、
勉強に関係ないのを持ってきてるのを見つかったら、
すぐに取り上げられちゃうの、しかも戻ってくるの一週間は後なんだよ。
はぁ…そんなのやだなぁ、せっかくの指輪なんだもん、
先生に取り上げられたくないよ~先生の前ではポケットにでも隠しとかないと駄目かな?

続きを読む

彼女の秘密 2

先輩とそんな関係になったのは合宿の時でした。

「あ…残念だけど、同じ組み合わせになれなかったね」
「くそぉ~一つ違いかよ」
夏合宿の最終日の夜にみんなで肝試しをする事になったの、
だけどくじ運が悪かったみたいで彼氏の透君とは、一緒の組み合わせになれませんでした、
代わりに私と一緒に歩く事になったのは…
「はは、残念だったな~彼女と一緒に行けなくて」
「先輩~代わってはくれませんよね?」
「当然だ、既に彼氏付きとはいえ紅一点と歩ける名誉を手放せるか」
高槻先輩とだったの、何だか凄く喜んでたな…
というか先輩に限らず、今回は公平にみんなでくじを引いて組み合わせを決めたのだけど、
部には当然に女の子は私一人なわけでして、どうやらみんな私の相方を狙ってたみたい。
「そんなわけで、一緒に頑張ろうな」
「は、はい先輩!」
本当は透君と一緒に行きたかったけど、でも仕方ないよね。
そして次々と二人一組で肝試しコースへと出発していきます。
合宿場は山の中でね、当然に林に囲まれた山道のコースを歩く事になってた、
途中に電灯は設置されてないから、それぞれ渡された一個の懐中電灯の灯かりが頼りで、
決められたコースの道を歩いていきます、するとコースの折り返し地点にはお寺があって、
そこで配られていた番号札を置いて墓場を通り、最初のここまで帰ってくる事になってた。
「じゃ行こうか」
「はい」

続きを読む

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
FC2カウンター