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ケモノに嫁いだ母娘

「わ~~!!綺麗だよ~!見て見てお母さん!!!」
「ふふ、あんまりはしゃいでたら転ぶわよさやか」
「う~ん…空気が美味いな、やっぱりさ」
連休を利用し、私達家族は住み慣れた都会から少し遠出して、
自然に囲まれた山へとハイキングに来ていました、
夫の調べた通りに、ここは穴場らしくて連休なのに人で混みあってるような感じじゃなく、
こうして山道を家族で悠々とのんびり歩けていました。
一人娘のさやかなんて、あんなにはしゃいじゃって…ふふ、まだ子供ね。
「ふぅ…しかし、いつまでも若いと思っていたのだが、やっぱり体力落ちたかな?」
「あらあら、三十代で年寄り発言しないでくださいよ」
夫は今年で35で私は32です、娘が10歳と若いとはいえ、
三十代なら十分若い身だと思うのですけどね…
それとも普段は会社で、ディスクワークの激務に勤しんでいるからでしょうか?
でもそんな夫の頑張りのお陰で、こうして私達家族は無事平穏に、
円満な毎日を過ごしてこれたのです、あなた…愛してますよ。
「ん?何か言ったか?」
「いえいえ、何にも…でも良かった、今日は良い天気で」
「そうだな、さて…お~い!さやか待てぇ~お父さんが追いついちゃうぞ!」
「きゃきゃっ!待たないよ~!」
今はまだ体力に余裕のある夫は、娘を追いかけるようにし、
山の坂道を登り駆けていきます、
娘のさやかは追いつかれまいと、また一段と早く足を進めて登っていく。
まったく…ここで体力使ったら、後で大変ですのに…
そんな私の予測は正しく、数分後…夫はハァハァと息を荒くし、
汗を流して立ち止まっていました、娘もしんどそうですね。

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犬巫女

「お父さんいってきます!」
「あぁ、ちゃんと挨拶してくるんだよ」
「うん…」
私の名前は犬塚樹理、都内の中学に通うごく普通の女の子です。
家族は父さんと妹の三人暮らしで、母さんはちょっと別居中だったりします。
でも別に両親の仲が悪いわけじゃないの、母さんはどうしても実家からは離れる事ができない身で、
しょうがなくこうして家族離れて暮らしてるの、父さんも私も妹も会社や学校に通うのに、
やっぱり都会暮らしの方が色々と都合いいからね。
でも一応は時々だけども休みの日には顔を見せに、はるばる母さんは上京して来るの、
その時には家族みんなでお出かけしたりしたっけ…でも結局は日帰りで帰っちゃうけどね。
ちなみに母さんの実家は、故郷の村にある神社に代々仕える家系で、
特に長女には特別な仕事を任せられるという巫女さんになる事を代々受け継いできたの。
だから私も本当ならその巫女の仕事というのを、母さんから受け継ぐ事になる筈でした、
でも母さんは私の好きに生きていいって言ってくれてたの、当分は母さんが頑張るからって、
そんな母さんの好意に甘えてきた私…だけどそれもこの間までの話だったの。
そう…母さんが倒れるまでのね…

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銭湯の秘め事

「わ~い、銭湯銭湯~♪」
「こら、葉月~そんなにはしゃぐなよ」
「だって~楽しみなんだもん」
あたし、名前は榎本 葉月といいます。
元気一杯の小学校三年生でね、今日はお父さんと銭湯に来てたの。
あたし銭湯って初めて…あっ、でも覚えてないだけでね、
本当は昔にも連れてきてもらった事あるらしいけれど、
全然記憶にないしドキドキして楽しみだったの。
もちろん家にもお風呂はあるけれど、あたしが銭湯に行ったことないって言ったら、
それならってお父さんは行って見るか?って誘ったんだ。
「さてと…どっちに葉月を入れるか…」
「どうしたの?」
銭湯の大きな入り口の前で急にお父さんが立ち止まるから、不思議に思いました、
何だろう?左と右に別々に入れるとこあるみたいだけど…
男と女って書いてあるのれんがあるよね。
女って事は、あたしはあっちなのかな?でもそうすると、お父さんと別になっちゃうの?
それだとちょっと心細いかも…
「時間も早いし、他に人も居ないだろし…まぁ男湯でいいか」
するとお父さんはあたしの手を掴んで、男って書かれてる方に入っていくの。
な~んだ、あたしもこっちに入っていいんだね、
すると中はやっぱり別々になってたみたいで、入ってきたとこに座ってるおばちゃんに、
お父さんはお金を支払います、するとおばちゃんはあたしの顔を見るなり、
少し驚いてたみたいだけど…少しジロジロって見つめると。
「何だ子供か、これくらいなら平気ね」
って小声で言って、下に置かれてた何かの雑誌を手にとって読み始めたわ。

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妄想から出た実2

あたしは今年の春に五年生に進級したばかりの女の子「小松ひなた」といいます。
三年の時に、この町に引っ越してきたのだけど、
転校してきて二年もすれば、もうすっかり新しい環境にも慣れました。
今では友達もできてるし、特にお隣に住む悟くんとは仲良しで、
よく彼の家に遊びによる事も多かったの。
ただ最近は、ちょっと困ったクセ?ができちゃって…人知れず悩んでたりします、
だって…これって変な事だよね?あんまり詳しくないけど何となくわかるの…
でもやめれない、気付けばその…昨日もしてたし。
だってあれって気持ちいいから…少しは我慢した時もあったけど、
結局は我慢できなくなって、数日も経たないうちにしてもらちゃったしね、はぁ…
でもこの時のあたしは、それがどれだけ大変な事なのか、全く知りませんでした。
知ったのは五年になった春休み明けの登校日、
その時に配られた新しい教科書をもらった時だったの。
直ぐに興味津々に仲の良い女の子友達と一緒に、
この新品な新しい教科書をぺラペラと眺め見てたの、
こんな事を今年習うんだなって話をしながらにね。
それで一番話題になったのが、保健体育の教科書だったりします、
年頃だからかな…かなり興味を惹かれる内容でね、
その中にね…あったの、女の子の性教育を習う内容が…
「うわぁっ!こ、こうやって子供ができるんだ!」
「な~に、みゆき知らなかったの?」
「だって…詳しくは知らなかったんだもん!」
「……」

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妄想から出た実1

「んっ…お兄ちゃん」
「はぁはぁ…いいよ、すっごく気持ちいいや」
ベッドの上で寝ている俺に、愛嬌たっぷりの可愛らしい少女が、
そのまだ生まれてやっと二桁の年数になりそうな、
未発達な生まれた姿のままで俺に跨り、そして出来る限り大きく口を開け、
小さな口の中へと、俺の股間に生える立派な肉棒を咥えこんでいた。
短めにカットされた可憐な髪が首を縦に揺らせる毎に、フワフワと舞うのを見てるだけで、
俺は激しく欲情させられるというのに、更に咥えてる口からは肉棒が往復する度に、
興奮を高めるような唾が弾け合う淫らな音が鳴り響いてくる。
あぁ…当然に少女にテクは無いが、あまりにも甲斐甲斐しく精一杯にほうばり、
俺に奉仕を続ける姿が何とも良いよな。
そして俺は初々しい舌使いで、すっかり極楽気分な程に心地良くしてもらってゆき、
ついにはその温かな口内に欲望を解き放ったのだ!

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狙われた母娘7

遠い国の貴方へ…お元気ですか?
私も娘も元気です…実は私はバイトを始めたのです。
その職場で私は多くのカメラに囲まれ、あらゆる方向から色んな格好をして、
指定された通りにポーズを決めて、綺麗に魅力的に撮影されてます、
バイトというのはモデルのお仕事で、賃金も良いんですよ、
勤め先の人達もいい人ばかりで、良い待遇で扱われてます。
でも私の活躍は貴方は見ないでしょうね、そういう世界に興味無いでしょうし、
偽名を使い貴方の前では、決してしない表情してますから…

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狙われた母娘6

「はぁ…はぁ…んん…」
「いいよ、だいぶ上手くなったな聡美」
「はい…貴方のお陰で…んっ、オチンチン好き」
今日も彼のオチンチンをしゃぶってました、今はもうモニター室じゃありません、
同じビル内ですが、まるでホテルの一室のように修飾された部屋にいます。
あんな高級そうなベッドじゃありませんが、でも交わるのに雰囲気でる場所だったの。
「どうぞ…この卑しい牝穴に、栓をして下さい」
「あぁ…でも今日は自分から入れてもらおうか」
「はい…んっ、あん…入っちゃっう」
自分から彼の肉棒を咥え込ませていきます、んっ…ズッシリくるの。
太いので子宮を押されて潰されるくらい、そんな勇ましいのを私は腰を使って膣壁に絡ませ、
搾り込ませて利彦さんにも快楽を感じさせます…私だけ楽しむわけにいかないもの。
「うっ…上手くなったな腰の動かせ方も、絶妙で気持ちいいよ聡美」
「ん…ありがとうございます」
「ところで聡美…お前は誰のモノだ?」
「私は…もう貴方のモノです…」
「つまりご主人様というわけだな聡美」
「はい…ご主人様」

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狙われた母娘5

「行ってきま~す」
娘が学校に出かけるのを見届けてから、いつもの家事をしてました…
ただし携帯をすぐ側に置いて、ちょくちょく気にしてたの。
だっていつ彼から連絡くるかわからないから、ほら…あちらには私の恥ずかしい画像があるし、
万が一にでも無視したらどうされるのか分からないのよ、でも明確に脅すとも言ってないし…
だからといって楽観もできないものね、ただ私は待つしかないの…藤林さんからの連絡を。
だけど…午前、午後になっても彼からの連絡はありませんでした。
いつしてくるのだろう…そしてしてきたら彼は何を望むの?…お金?それとも身体?
昨日のように私の身体を陵辱し辱めて…んっ、やだっ…身体が熱い、
昨日の事を思い出してると、陰部あたりがむずむずと疼かせていたの…
そんな…何て反応なの、犯されたのに…こんな発情してるみたいになるなんて。
確かに彼は上手かったわ、夫よりも手馴れてこの私の身体を…
「あっ…はぁ…んん…」
私は自己嫌悪していました、だけどこの火照る身体を放っておけず、
情けなくもふいに身体を慰めていたの…こんな姿を誰にも見せれないわ、夫にも娘にも…
家事を一旦休み、窓から射す昼下がりの傾いた日光を浴びつつ、連絡の来ない携帯を眺めながらに、
自分で胸を揉みつつ陰部を弄り掻き回して、淫らな快感を貪っていたの、
徐々に服を乱して悶えていく…なんてみっともない姿だろう、人に見られたら何て言い訳するの?
でも…そこまでしたのに私は物足りなさを感じてた。

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狙われた母娘4

「責任とるよ…卒業したら一緒になろう」
「先輩…でも…」
「聡美ちゃんの両親て怖い?お父さんには殴られるかな~ 」
私と先輩は部活のキャプテンとマネージャーという間柄でした、
そう…あの夏の合宿まではただの…
あの時は驚いたわ、本当は同じ学年で同じクラスの男子の事が好きで、
先輩は憧れての人だったのに…つい二人っきりになった状況で、
頼りになる先輩に恋の相談をしていたら、いつしか抱かれていたのだもの。
そして先輩が私の事が好きだって知ったのです。
その後も度々に皆の目を盗んで部活中に部室で…休みには先輩の家で、
私達はこの関係を持ち続けました、そしてある日に気付いたの、
いつの間にか生理が止まってる事に、最初はただ遅れてるだけだとも思ったけど…
一ヶ月…ニヵ月してもそのままだから、ようやく病院に診てもらったわ。
そこでやっと先輩の赤ちゃんを孕んでいた事がわかったの。

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狙われた母娘3

もうすぐ四年生になる三月の休みの日、空港にやって着てたの。
今日…お父さんが外国に行っちゃう日だったんだ、
おめかしして遠くに行っちゃうお父さんを見送りにきてたのでした。
「じゃあ…しっかり勉強して、お母さんの言う事を聞くんだぞ」
「うん…お父さんも元気でね」
お父さんは優しく力強く頭を撫でました、泣かない…まだ泣かないもん。
笑顔で送らなきゃ…ほらお母さんも、必死に我慢してるか…ら…
「んぐ……」
「なるべく早く帰って来るように頑張るからな…帰ってきたら、今度は遊園地に行くか」
「約束……だよ」
「ああ…約束だ」
「あなた…病気には気をつけてくださいね」
「健康だけが取り柄だからな、じゃ…そろそろ時間だ、行ってくるよ!」
お父さんは着替えとか仕事道具など、色々詰めた大きな鞄を持って、
乗り場に向かうエスカレーターに乗ります。
どんどん離れていくお父さんの姿に後ろから手を振って見送ってた…
姿が見えなくなるまで、そして見えなくなったら…泣きました。

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狙われた母娘2

次の日の放課後…私は学校から直接駅前に来てたの、
お母さんには友達の家に遊びに寄るって先に言ってありました。
すると車のクラクション音が聞こえ振り向くと、綾さんの車があったの。
「やっほ愛美ちゃん、お待たせ」
「綾さん…」
「じゃあ行こうか、直ぐそこだけど乗りなさい」
綾さんの車に乗ると動き出し、いろんなビルが並ぶ方へ向かいます。
いつも通う塾がある所だと綾さんに言うと、それは都合いいわねとの事です、
どうやら目的地もこの辺りみたいなの。
駐車場に車を止めて少し歩くと、テナント募集中と書かれた看板が並ぶ、
何だか古くなった建物前で立ち止まるの。
「ここよ、着いてきて」
綾さんが建物に入ると私も着いていきます、中は暗くて…人が居そうにない感じしてる、
ちょっと一人だと怖いかも、その中へ歩き進んで行くの。
「オンボロなビルでしょ、まぁ使ってるの私の事務所だけだからね、この下よ」

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狙われた母娘1

「おはよう、お母さん!」
「おはよう…ご飯できてるわよ」
「おはよう!今日も元気一杯だな愛美!」
「お父さんもおはよう」
私の名前は坂本愛美、小学校三年生の女の子です。
今日も元気よくお母さんとお父さんに朝の挨拶して、顔を洗ってご飯食べてっと、
いつもの何も変わらない一日が始まりました。
多分だけど幸せな家族だと思うの私の家ってね、
ほらお父さんもお母さんも互いに仲がいいし優しいもん、
ちなみに見た目だけじゃなくて、歳も凄く若いんだよ…う~んっと、よく知らないけれど、
学生結婚というのをして、私もその時に生まれたんだってさ。
色々と大変だったらしいけれども、今では都内の一軒家に不自由なく暮らせる様になっていたの、
お父さんが頑張って一生懸命に働いた結果らしいよ。
だからお父さんはいつも遅くまで働いていて忙しいのだけど…
「愛美、今日は途中まで一緒に行こうか」
「うん」
休みの日とか一緒に居られる時には、とっても私に構ってくれるの、
休みにはお母さんも一緒に家族揃ってお出かけしたりもするしね。
だから寂しいなんて感じた事もないんだ、ほんとに大好きなお父さんでした。

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帰省4

今年は小学生で最後の夏休み、盆になったけどまだまだ夏の猛暑は収まらないみたい、
それどころかかなり暑いよね…そういえば二年前の今日も同じだったかな?
「そろそろここもクーラーを付けてもいいのにね…あつぃ~」
「でもだからこそ人が居ない場所だからな、都合よくも」
「ねぇ、アイスを食べようか?まだ時間あるし」
「賛成~~~」
みんなで近くの売店でアイスを買ってきて、一応は日陰になってる駅の待合室で食べることにします、
その時に思い出しちゃったんだ…最初のここでの出来事を。
「ねぇねぇ、見て見て!」
「ん?なんだ裕香っち…って!」
「えへへ…フェラチオってね」
そう言って、ミルク棒アイスを舌で包み、まるでおちんちんを舐めてるようにしゃぶるの。
ん…こんな感じにだっけ、ここで二年前にしたのって…
「何を馬鹿な事をしてるんだよ…もう」
「そうだよ~もう直ぐ本物を舐めれるのに」
「いやそうじゃなくて…」
あの頃よりも、格段に上手に手馴れた舌使いになったかなと自分でも思ってる、
あれから何度も何度も…バイブで練習とか、本物でもしちゃたしね。
こんな風にあたしと同じ年頃の女の子で、こういうの手馴れてる子って他にいるのかな?
いるかも…最近は色々と進んでるって話だもん、
あたし達以外にもセックス体験しちゃってる子だっているって、
普通に読む雑誌やネットにも書かれてたみたいだしね。
だけども…小学生でここまでしちゃった子はいないよね、きっと…

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帰省3

俺が会社勤めに励んでいる内に、すっかり季節は蒸し暑かった夏から、
肌寒い冬へと変わっていた、あの一人身には全く関係ないクリスマスなるイベントも終わり、
街の空気はすっかり年末モードへと模様替えしている。
「ふぅ…さてとこんなものか」
俺が勤める会社もようやく年末長期休暇に入り、いつものように実家への帰省用意をしてた、
本来なら一日ゆっくり休んでから帰るつもりだったが…
「おっと、これも持って帰らないと」
棚の上に置いておいた、買った時のまま中に商品を入れてある状態の紙袋を、
鞄の中の奥底へと入れる…万が一にこれが外に飛び出たらヤバイからな…
こんなに慎重にしなくてもいい筈だが、物が物だけにどうしても慎重になってしまう、
そして同時に買ったときの恥ずかしさを思い出してしまうのだ。
何故ならこんな物を今まで買った事がないからな…でも仕方ないよな頼まれ物だし。
「さてと…それじゃ行くか」
そして俺は用意も終えて、ようやく帰省する事にし、駅に向かうのだ。
「ねぇ、お母さん待って~」
「はいはい、しっかり付いてこないと迷子になるわよ」
その途中で仲の良さそうな親子連れが横切ったのだが、ふとその娘さんであろう女の子を見る…
確かあれくらいだったな、あの子も…

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帰省2

チリ───ン♪

「う~ん、やっぱ暑いな…ふぅ」
扇風機の前で、すっかり暑さにやられだらけてる俺は、ただいま田舎の実家に帰省中の
普段は都会での会社勤めしてるごく普通の社会人である。
この夏の盆休みを利用して、実家に三泊四日で帰ってきたわけだが、
今日は一泊した二日目で、ただいま静かな実家の家の中で過ごしてる。
何故なら今は俺以外に誰も家に居ないからだ…俺の親は健在だが、
ただいま姉家族と一緒に車に乗って、少し遠くのデパートへと買い物に行ってる。
ここは田舎だからな、自転車で十数分圏内にスーパー程度ならあるが、
品揃えの良い大型店へは車で40分程かかる、そんなわけで俺を留守番にして、
姉らと行ったわけだ…まぁ昼過ぎまでは帰って来ないだろな。
俺も誘われたが面倒だし辞退した、クーラの効いた部屋でのんびりするさと思ってな、
だが…まさか行ってしまった後に急にクーラの調子が悪くなってしまうとは!
おかげで扇風機を持ってきて、これで涼んでるというわけだ。
ま…ほとんど暖かい風を運ぶ感じなんだが…
「ついてないよな…しかし」
そんな中で俺は少しでも涼しくと窓を全開にさせ、この夏の強い日光に照らされる庭木を見つつ、
ふと昨日の事を思い出してた。
「あれは…夢じゃなかったんだよな」

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帰省1

「ふぅ~暑い…ここで待ち合わせだったよな?」
無人駅を降りた俺は、鞄を地面に置いて駅前で呆然と立っていた。
予定ではもう迎えの車が来てる筈なんだがな、
嫌な予感がして自分の携帯電話を眺めてみた、
すると何時の間にか一通のメールが届いてたではないか、
で…内容を見てみると、どうやら迎えに来る筈の姉に急用ができ、
ちょっと小一時間程は迎えに来れないらしい、だから歩いて来るかここで待ってろとか言う。
歩いて行けない距離ではないが、しかしこんな炎天下の中で、
色々と荷物を持って歩くのもしんどいと判断した俺は、
直ぐに待ってるからと返事する…しかしこんな何も無い場所で待ってるのも暇なんだよな。
駅の中にはチラシが幾つか置かれてるが、特に読みたいと思う物は無し、
少し離れた場所には小さなパン屋らしいのがあるが…雑誌とかは置いてないだろうな。
飲み物なら自動販売機なら駅の待ち合わせにもあるようだし、
そこで冷たいものでも飲んでいるか。

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運命の相手

俺はずっと悩んでいた…それは俺が仕出かした事に対して、どう責任をとるかを悶々と考えてたんだ。
しかし答えは中々に思いつかず月日は経過し、更に事態を悪化させる結果すら招いていた。
もう俺はどうすればいいのかと半混乱してしまってたよ…だがそんな日々は突然に打ち切られた。
今…この暗い自室である部屋の中では、一台のパソコンのモニターがある映像を再生させている。
実は俺宛に差出人不明で封筒が送りつけられていて、その中には一枚のDVDだけが入ってたんだ。
何かの悪戯かとDVDを眺めてみると、白いラベルに見知った筆跡で一言…『ごめんね』と書かれてた。
直ぐにその筆跡の主に携帯で電話をかけてみたが、電話は繋がらなかった…だからDVDを見たんだ。
そして俺は…俺の中で大切なモノが音をたてて崩れた…
どうして?なんで?いつから…様々な感情が湧き上がってくる、黒い狂いそうな感情が…だがこうも感じた、それはずっと縛られてきた鎖が千切れたような解放感、そうだ…俺は自由になったんだ。
あはは…なんだよ、良い事じゃないのか…俺は内心それを望んでたじゃないのか?
解放される事を…ほら思い悩んでた事も今この瞬間に考えなくて良くなったぞ…なのにどうしてだ?
俺の目から涙が止まらないのは…あははは…俺は泣いた、そして笑った…狂ったようにいつまでも…



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バレンタイン

ついにこの日がやってきてしまったか、俺は意を決して家を出た。
向かうは当然に学校、何故か胸がドキドキと高鳴っている、おかしいよな~
「さぁ今日は普通の平日、何にもない日だけど頑張って学校に行くか!」
そう自分に激励をし、いつものように通学路を歩き出す、するとだ…背後から凄い足音が近づいてくるような…
「何を朝から現実逃避してるのよ馬鹿始!」
「うごぉっ!!」

バキィィィ!!!

激しい衝撃が後ろから響いてくる、痛い…気持ちの良い朝に背後から飛び蹴りを喰らってしまった!
俺が知る中で、こんな乱暴な事をするのは一人だ。
「何をするんだよ宏美!」
「朝から馬鹿な事を言ってるからよ」
ベーっと舌を出して馬鹿にしてるように笑うのは、俺の幼馴染である坂井宏美だった。
こいつ…昔から俺の事を直ぐに蹴っ飛ばすような乱暴な奴で、子供の頃は何度こいつの我が侭で泣かされた事やら。
「ん~何?何か文句あるの?さ、早く学校に行くわよ!」
「わかってるよ…まったく乱暴者め、うげぇ!」

バキィ…ッ!

また今度は殴りやがった、たく…俺には半ば理解できないが、この宏美はそれなりに男子には人気あるらしい、ショーットカットの髪にスポーツは全般的に得意で、時に乱暴な言動をするというような男ぽいようななところあるのに、それに胸だって小さいし…
あと妙に頼りになるところを見せてるせいで、まぁ女子にも人気あるまでは理解できるが、いやいや世の中には物好きな男子も居るもんだよな~。
確かに顔は可愛いが…昔から一緒にいる俺としては信じられないよ。
そうそう彼女と俺は腐れ縁なのか、高校まで一緒の学校どころか、クラスまで同じ事が多かったのである。
「そういえば今日は2月14日ね~何の日だったかしらね」
「何だったかな~でも確か宏美には関係ないイベントだよな」
「ほ~あんたにもでしょうが!」
「うぐぅ!!」

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催眠家庭教師

午後の気だるい授業も終わって下校中、タタタッて迫る足音をたてつつ、背後から私の名前を呼ぶ男の子の声が聞こえてきました。
「お~い、夕菜」
「ん?どうしたのかな祐樹君」
学校からずっと走ってきたのかな?この額に汗を流してる男の子は幼馴染の祐樹君、運動部で鍛えてるからか声をかけてきてすぐに帰宅中の私に追い付いてくるの、でもあれ?確かまだ部活中じゃなかったかな?
あ、でもそういえば明日の試合に備えて野球部の練習はお休みだっけ。
「お、お前…いつの間にあんなに成績上がったんだよ!」
そして追いつくなり恨めしそうに問い詰めてくるのは、この間の実力テストの結果の事、今日結果が発表されてね、それで私はなんと上位にランクインしてたのでした。
ふふ~ん、ちゃかり見ちゃうんだ…テストの結果なんて気にしてないと思ってたけど、でもどうせ私の名前も後ろから探したのだろうね。
だけどお生憎さま、今回はそうはいかなかったのよ。
「ほほほ、私がいつまでもお馬鹿のままだと思ったのかな?」
「まったく…俺と同じ赤点仲間だったのに、いきなり差をつけやがって!」
「野球部の練習で忙しい祐樹と、帰宅部の私がいつまでも同じ点を取ってるわけにはいかないわよ」
実は私は、これでも前回のテストまでは下位の底を彷徨ってた身だったの、この幼馴染と一緒にね。
まぁ…祐樹は野球馬鹿だからいいとして、私は帰宅部で本当の馬鹿だったから、ちょっと救いようが無かったわけ、でもまぁそれも昔の話よ!
「で…なんでいきなりあんなに成績上がったんだ?勉強嫌いのお前が…まさか本当にその部活に割く時間を勉強にまわしたわけじゃないだろ?」
「えへへ…それはね、実は…」
当然に普通に勉強して学力が飛躍的にアップしたわけじゃなかった、私の学力アップには秘密があったわけで…まぁ隠すほどのものじゃないのだけど。
「か、家庭教師!?」
「うん…この前のテストの結果にお母さんがプンプンで…家庭教師をつけられたのよ」
だから言っちゃった、実はこの前までのテスト結果があまりにも悪いのを知られ、お母さんは藁をも掴む気で家庭教師を雇う事にしたのよ、なんでも夕飯の買い物してる最中に、偶然に家庭教師をしますっていうチラシを見つけたらしく、月謝も比較的安かったし即効で決めたらしいわ。
「もちろんあたしは嫌だったけど…でもこれが教え方が良くてね」
「それで、あんなにいきなり成績が上がったのかよ…」
「まぁ、そういう事かな」
ふぅ~ん、と一応は納得したみたいな祐樹君…でもどこか信じられないって顔かも。

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僕の専用…

いきなりだが僕は無職のニートだ、
高校を出てから親の進めで大学受験をするも、三浪してしまい結局諦めて、
職探しをするも何とか入社できた会社は一年で潰れた、
それから再就職口を探しつつアルバイトをしてフリーターみたいな事をしてたけど。
歳が三十を過ぎた今では完全に何もせず、実家で親の世話になっていた。
「ねぇ俊一…お父さんも定年近いんだから、そろそろもう一度再就職口を探しても…」
「無理だよ、世間は大不況なんだぜ、僕を雇ってくれる会社なんてないよ」
「そうだけどさ…はぁ」
僕自身の能力不足もあるけど、世間は不況の真っ最中で、
僕が務まりそうな求人が無いのもヤル気が出なくなった原因の一つだった
僕だっていつまでもこのままじゃいけない気はしてたけど、
でも…どうしても行動できず、ダラダラと生活してるのが今の日々だったんだ。
朝が来て、気付けば夕方になっている…そんな繰り返しだ。
そんな変わらない一日の中、自室でPCの前で色々とサイト巡りをしてたのだけど、
ふと自室の窓の外に気になる人影を見つけてしまうのだった。
二階の窓から覗くと、道路をこそこそと人目を気にしつつ歩く女の子の姿だ、
サイズの大きめなコートを着込み、黒い長髪をなびかせた小柄の女の子、
こんな夜更けに、また出歩くなんてな。
僕の近所には、可愛いらしい女子高生が住んでいる、
詳しくは知らないが大きな屋敷みたいな家の一人娘らしい、
どうやらイケメンな彼氏がいるようだな、羨ましい事で…
ちなみにこれらの情報元は、近くのオバサン連中の噂話だったりする。
そういえば以前から朝や夕方に登下校してる姿を、この窓から目撃していたが…
そんな彼女が近頃の木曜になると、夜な夜なに少しは暖かくなってきというのに、
まるで真冬に着込むような厚手のぶかぶかなコートを着込んで、
登校してる時とは違ってフラフラとした足取りで、外を出歩くてのを見掛け、
少し前から気になってたのだが…ふと僕は今日に限って、
あの子を追跡してみようと思ったのだ。

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とある箱入り娘の幸せ

私の名前は中ノ島若菜と申します、自慢の長い髪の毛は金髪ですが、
これでもれっきとした日本人ですよ、実は母方の祖母がフランス人でして、
どうやら髪の色は祖母から受け継いだみたいなのです、ちなみに18歳で、
この春に短大に入学したばかりなんですよ。
この歳で恥ずかしい事みたいですが、今まで私はずっと親に見守られてきまして、
学校の登下校も車で送迎され、友達と外で遊ぶという事はありません、
あっても監視の目がある環境ばかりで、本当に箱入り娘として育ってきました…でも。
そのせいか少し世間知らずなところがあり、これでは逆に私の為にならないと、
そこで結婚前の社会勉強だという理由で、高校を卒業してからは、
親元から離れての一人暮らしを始めたのです。
確か住んでるマンションは月に50万の家賃でしたっけ、あ…家賃は親が支払ってくれてます、
一通りは掃除・洗濯・料理など習ってきましたが、それでも一人で暮らすのって大変ですよね。
初めは本当に色々と大変でした…寂しくなって夜は泣いた事もあります。
でもね…そんな私が恵まれている環境だと、つい前までは知りませんでした。
彼…婚約者の東君のボランティア活動に参加させてもらうまでは。
ちなみに婚約者の東君は、お父様の知人の息子さんで、
企業家の父親の跡を受け継ぐ為に、小さい頃から英才教育をされ、
私と違い外の世界の事も、様々なボランティア活動を重ね体験されて学び、
一般の友達も多く持ってるらしく、運動面でも色々と記録を残されてます。
今は大学院生で、趣味でこうしてボランティア活動を続け、
人々を救っているのでした…当初は写真でしか見た事の無い、
未来の結婚相手という印象でしたが、高校時代に初めて実際に出会い、
話を重ねていく内に、本当の意味で互いに好意を抱くようになってたの。
そう…今は婚約者であると同時に、恋人という関係でした。

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優秀なる者

俺が生まれた時代、人類は科学の発展の末に宇宙に進出していました…
宇宙への進出は様々な可能性と恵みを人類に与え、
より文化を発展させていき、繁栄を約束されると世界中の人々が信じ…
確かに驚異的な速度で進歩したのです。
ですが同時に脅威もあったのだった…それが『敵』の存在だった。
『敵』に関しては。まだその全容は明らかになっておらず、
人類はその遥かより飛来する『敵』との最初の交戦以降、
様々な驚異的困難とぶつかり、人々は数知れない程の命を散らせていった…
だが時が経ち、苦心の末に撃墜した『敵』の解析を様々に進める内に、
彼らの技術を取り込んで、『敵』と対等に戦う為の宇宙用小型戦闘機をも開発したのだ。
そして今…ようやく向上した技術の結果、人類は飛来してくる『敵』から十分に防衛できる程の、
戦力を有す事ができるようになっていた。

俺はそんな時代に宇宙航空学校を卒業すると、
人類を…そして地球を『敵』の手から守る為の軍隊である宇宙防衛隊に入隊していた。
学生時代からのパートナと一緒に、所属になった宇宙ステーションで、
『敵』との交戦用に開発された小型戦闘機に乗り、
地球圏防衛を主な任務とし日々任務に励んでいたのである。
そして今日も…俺らは『敵』と交戦していた。
「ナオト!敵の予想移動コースが判明したわ、今から12秒後にアタックして!」
「わかった!任せてくれ!!」
軍で使う小型戦闘機は、機体の操縦担当者と射撃担当者が別々に働きを分担している、
二手に作業を分担しなければ、もはや人では扱いきれない程の機体なのだ。
ちなみに俺は射撃担当をしている、ほら…彼女の調べ通りに、
狙った『敵』に対し、俺は照準で機影を捉える、そして…弾を撃ち込むのだった。

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歪んだ望み

すっかり日が暮れ、もうこの公園に子供の姿は居なかった、
いや最初から居なかったかもしれない、
何故なら昼でも基本的に人は立ち寄らないような場所だったからだ。
元々ここは管理されてなく、すっかり寂れている公園で、
そのせいかあっちこっちがホームレスの住処にもなっている、
そんな公園の敷地の一角に、一つ寂れた公衆トイレがあった。
ここは男女兼用の公衆トイレだが利用者はまずいない、
ここもいつから清掃されていないのか分からないくらいに、
壁も床も汚れまくり、便器にも汚物が付着しまくって、
ゴミなどで詰まって使用できそうにないのまであった。
当然に悪臭も酷い、その為に誰も近寄らなくなってたのだった。
だがその公衆トイレに、辺りが暗くなると一人…また一人と集まってくる、
夜だけに私用できる特別な便器を使う為に…彼らは集まってくるのだった。

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堕ちた希望

この大地は今、大いなる危機に晒されていた…
邪悪な魔術師の儀式によって、太古に封印された魔神が降臨し、
その影響で大地の奥深くに閉ざされてきた闇の世界から地上へと、
世にもおぞましい不気味な魔物達が溢れ出し、常に人々の生活を脅かされていく…
もはやこの世界は混沌の渦と化していたのだ。
そんな世になって十四年…我が小国サークスは、突如に魔物らの襲撃を受けたのだった。
元々が大した戦力も持たない国だったのもあるが、
あまりにも唐突で凄まじい数の魔物の数に、満足な迎撃体制がとれてなく、
遺憾ながらも、我が母国は僅か一月もしない間に、王城は堕ち国は滅亡されたのだ…
もう遠くに見える城が焼け落ちていく、王と王妃はきっともう…
俺はその光景を見て己の無力さを嘆く、俺の力が至らないばかりに…
この俺は今はもう滅んだサークス国の守護騎士だった、
何故この一大事に城を離れていたのかというと、つい数刻前の事だった…
サークス王は俺に特命を与えたのである、その特命とは姫を連れて逃げろという内容だった。
「お父様…」
俺の横には悲痛な気持ちで、つい少し前まであの城で安らかに暮らしていた少女が居る、
もはや亡国となった国の姫、ファリーナ様だ…
彼女の容姿は小柄で細い体格、そして綺麗な瞳をし神々しいほどに長く伸ばした綺麗な髪をなびかせて、
その顔立ちにはまだ幼さが残っている、確かに彼女は若い…
確か間もなく14歳の誕生日を迎える予定だった。
きっとこんな世でなければ、14の誕生日には国中で祝ってもらえていただろう、
だが…神の試練なのか現実は、祝ってくれる家族も民も全て失ってしまったのだ。
「姫様…そろそろ」
「わかってます…行きましょう、叔父様の国…ラルカーンへ」
しかし彼女は立ち止まる事を許されない、
何故なら彼女は、混沌とした今の世を救う、たった一つの希望だったのだ…
サークス国王家には古くからある言い伝えが残されている、
それによれば魔の神が降臨し世界が混沌の闇に堕ちた時、
同時に世界を守護する光の天使様が、サークス国王家の血を継ぐ女子として、
この世に転生するそうなのだ、そしてその女子と、
心正しき剣の印を肉体に刻まれた選ばれし戦士が交わり、
天使が転生した女子の身に子を宿した時、その子供こそが世の闇を切り裂き、
いつか再び平穏を取り戻す救世主となるであろう…という内容だったのだ。
そう…ファリーナ姫こそが、古から世界を守護されていた光の天使様が、
人の娘として転生された女子だったのだ。
証として彼女が生まれた日…赤子の背中から白い羽が出現したという、
その羽は一瞬だけ姿を見せたが…それが消えた今もファリーナ姫の背には、
羽の痣が残っていた…ちなみにその自分の運命を、まだ彼女は知らない。
彼女にそれを伝えるのは、14歳の誕生日だと王は決めてたのだ。
だが王は伝える前に亡くなってしまった、だから…俺は無事に隣国の、
サークス王の親類であるラルカーン王が治めるラルカーン国に姫の身柄を送り届けてから、
その事実を話す事に決めていた…ラルカーン王も、その言伝えを知っているからだ。
そうだ俺は守らなくてはならない、いつか彼女の前にその選ばれし戦士が現れ、
契りを結ぶまで…世の希望を!自分自身にとっても大切な女性を守るのだ!
恐らく魔物の襲撃も、言伝えを察しての事だろう…そうだ姫様は狙われている、
俺はファリーナ姫を連れ、目的の隣国の王城を目指してた。
ラルカーン国は、我が祖国と違い兵力が充実したかなりの強国だ…
さすがにここならば、あの魔物共も手が出しづらいだろう、
だから…それまでが長い旅だったのだ。

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偽りの幸せ

強い雨が降っていた…風も強い、そんな嵐のような夜を俺は走ってる、
そして剣を振りかざし異形の化け物共と戦っていた。
「うりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

ザシュッ!!

また一匹、俺は斬り倒す…そして体勢を整えると、また別の一匹に狙いを定める!
ここから先へは一匹も通すわけにはいかない…
俺の剣に、この先にある故郷の村の平穏がかかっていたのだ。
俺はこの先にある村を守る警護団長だった、かつてない魔物の大群に囲まれた村を救うため、
大掛かりの作戦を決行し、今こうして最後の仕上げとなっていた…
傷つき倒れた仲間の為に…俺は自慢の剣技で残された魔物の群れを倒滅していく。
本来なら、追い込んだこの最後の群れを倒すのに、俺一人が奮戦する必要は無かった、
俺は群れをこの場所に誘い込む為の囮役だったのだ。
しかし、あの男…副団長ジュリクの裏切りにより、その作戦は失敗する。
魔物との戦いの流れが我が警護団の有利に傾くまで、
俺の指示通りに戦っていた、だが…この終盤で奴は俺の指示に背き、
自分が指揮させていた警護団員達を引かせてしまったのだ。
くっ…奴は俺の存在を邪魔に思ってた、恐らくここで俺が魔物と共倒れになるのを、
望んでいるのだろう…だがそうは思いどおりにいくか!
俺は…帰らなければいけない、そう…愛しい女の下に、
結婚を約束した女性…サリュとの約束を守り、生きて帰らなければ!
俺はふと首に飾った、この彼女から渡されたお守りである銀の十字架を見つめた…
この戦いが始まる出陣前に、サリュから手渡されたのだった。
「かならず…生きて帰ってきてねか…帰るさ、絶対に!」
俺は再び剣を握り締める…残りは数匹、俺の力量なら問題ない。
全てを倒し、後でジュリクの奴にも罰を与えてやる…そして、
俺はサリュの下に帰り…平和になった村で結婚式を行い、彼女を幸せにするのだ。
そうだ…だから、俺は倒れない、こんな場所で!

ガシャァァァァァァァ──────!!!

落雷が落ちた、そしてそれに合わせるかのように残りの魔物が姿を見せ、襲ってくる!
大丈夫…俺なら、サリュ…待ってろ!俺は戻る、お前の下に!!
「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

雨はまだ降り注いでいく…故郷を守る為に傷つき、そして死んでいった者達と、
本能のままに人を襲い続け、そして倒された魔物達の血を地面から洗い流していくのだった。

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