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幸せな家族

『わたしの将来の夢は、素敵なお嫁さんになって世界で一番の幸せな大家族をもつ事です!』
これはまだ小さい頃に、学校で将来の夢について書いた作文の一文です。
それから時間は流れ…今は、その時に願ったような素敵なお嫁さんになり、
一軒家の我が家を持つ家庭を築いていたのです。
「おはよう、明美」
「おはようございます、啓二さん」
私の名前は三陸明美、専業主婦をしています。
そしてただ今キッチンに入ってきたのが私の夫、三陸啓二さんです。
厳格そうなこの夫は、大学で講師を勤めてまして、結構偉い立場なんですよ。
「おはよう、お母さん」
「おはよう智美、あら和美はまだ寝てるの?」
「うん、そうみたい…起こしてこようか?」
「そうね、もう少しで朝食ができるしお願いするわね」
やがて長女の智美は凄く眠そうな顔をしている次女の和美を起こし連れてきました。
「ふに~おはよう~ママ」
「うふふ、おはよう和美…さぁ早く顔を洗ってきなさいね」
「はぁ~い」
こうして今朝も我が家は、朝から一家4人揃って朝食をとるのでした。
朝食が終わると夫は出勤の用意、長女と次女は通学の用意を始めます。
智美は少し離れた中高一貫の学園に電車で通っているのですが、
あの子ったら大人しいから友達がちゃんと出来ているか、ちょっと不安だわ。
そして和美はというと近所の小学校に通っているの、
ランドセル背負ってまだ眠たそうな顔しつつ、
それでも元気よく智美と途中まで今日も一緒に学校に向かうのでした。
「いってきま~す!」

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催眠家庭教師

午後の気だるい授業も終わって下校中、タタタッて迫る足音をたてつつ、背後から私の名前を呼ぶ男の子の声が聞こえてきました。
「お~い、夕菜」
「ん?どうしたのかな祐樹君」
学校からずっと走ってきたのかな?この額に汗を流してる男の子は幼馴染の祐樹君、運動部で鍛えてるからか声をかけてきてすぐに帰宅中の私に追い付いてくるの、でもあれ?確かまだ部活中じゃなかったかな?
あ、でもそういえば明日の試合に備えて野球部の練習はお休みだっけ。
「お、お前…いつの間にあんなに成績上がったんだよ!」
そして追いつくなり恨めしそうに問い詰めてくるのは、この間の実力テストの結果の事、今日結果が発表されてね、それで私はなんと上位にランクインしてたのでした。
ふふ~ん、ちゃかり見ちゃうんだ…テストの結果なんて気にしてないと思ってたけど、でもどうせ私の名前も後ろから探したのだろうね。
だけどお生憎さま、今回はそうはいかなかったのよ。
「ほほほ、私がいつまでもお馬鹿のままだと思ったのかな?」
「まったく…俺と同じ赤点仲間だったのに、いきなり差をつけやがって!」
「野球部の練習で忙しい祐樹と、帰宅部の私がいつまでも同じ点を取ってるわけにはいかないわよ」
実は私は、これでも前回のテストまでは下位の底を彷徨ってた身だったの、この幼馴染と一緒にね。
まぁ…祐樹は野球馬鹿だからいいとして、私は帰宅部で本当の馬鹿だったから、ちょっと救いようが無かったわけ、でもまぁそれも昔の話よ!
「で…なんでいきなりあんなに成績上がったんだ?勉強嫌いのお前が…まさか本当にその部活に割く時間を勉強にまわしたわけじゃないだろ?」
「えへへ…それはね、実は…」
当然に普通に勉強して学力が飛躍的にアップしたわけじゃなかった、私の学力アップには秘密があったわけで…まぁ隠すほどのものじゃないのだけど。
「か、家庭教師!?」
「うん…この前のテストの結果にお母さんがプンプンで…家庭教師をつけられたのよ」
だから言っちゃった、実はこの前までのテスト結果があまりにも悪いのを知られ、お母さんは藁をも掴む気で家庭教師を雇う事にしたのよ、なんでも夕飯の買い物してる最中に、偶然に家庭教師をしますっていうチラシを見つけたらしく、月謝も比較的安かったし即効で決めたらしいわ。
「もちろんあたしは嫌だったけど…でもこれが教え方が良くてね」
「それで、あんなにいきなり成績が上がったのかよ…」
「まぁ、そういう事かな」
ふぅ~ん、と一応は納得したみたいな祐樹君…でもどこか信じられないって顔かも。

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